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外国人向け「新人介護職員のための技術研修・交流会」開催レポート

update 2024/10/09

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高齢化の進展に伴い、介護人材の確保や育成が課題となる中、外国籍の方を職員として採用する介護事業所が増えています。
外国人介護職員にも生き生きと活躍してもらうために重要となるのが教育。そこで、岐阜県では関係機関や介護事業者と連携して、彼らをサポートするさまざまな取り組みを行っています。


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令和6年9月27日(金)、岐阜駅に隣接するハートフルスクエアーGでは「新人介護職員のための技術研修・交流会」が開かれていました(主催:岐阜県、委託先:一般社団法人 岐阜県介護福祉士会)。岐阜県内の介護事業所で働く入職後3年未満の介護職員に向けて、「移動・移乗」「衣服着脱」「排泄」といった基本的な介護技術やコミュニケーション技術をレクチャーする毎年恒例のイベント。今年は県内各地域で6回研修を予定しており、うち1回(今回)が外国人職員を主な対象としたものとなっています。外国人に特化した本格的な研修は初の試みで、この日は国籍もバックグラウンドも異なる7名が参加しました。参加者の中には、イスラム教徒が髪を覆い隠すために身につける「ヒシャブ(スカーフ)」姿の女性もいました。
「排泄の生活支援技術」の演習では、ベッドに横になったモデル人形の体の位置を変えたり、オムツを取り替えたり。講師の西脇孝幸さんが「利用者さんに声かけをすることが大事」「オムツを当てる時は、内側にあるギャザーをしっかり立てて」などのポイントを丁寧に紹介すると、参加者は熱心に見入っていました。
演習の最後には交流会も開催。参加者が2グループに分かれ、日本に来て驚いたことや、仕事の中で困っていることなどを和気あいあいと話し合いました。


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研修を企画した岐阜県介護福祉士会の浅井タヅ子会長によると、この日の参加者の出身国はインドネシア、ベトナム、ミャンマー、ペルーなどさまざま。在留資格や経験によって、日本語能力の個人差も大きかったため、研修内容は日本人向けと同じにしつつも、わかりやすい言葉を選んでゆっくり話す、繰り返し伝える、日本語版テキストと各々の母語版テキストを併用するなどの工夫を凝らしたといいます。浅井会長は「外国人介護職員の活用は今後ますます広がっていくはず。彼らを『なくてはならない戦力』にするためには、継続的な教育や支援が欠かせません。外国人材が働くことに対する介護事業所の理解が進むことも、とても大事」と指摘します。
外国人材が活躍できる職場は、多様な人材が自分らしく働ける環境であり、組織活性化に一役買うことも期待されています。外国人材の受け入れをこれから検討したい、外国人材の育成に関して悩みがあるという事業者様はぜひ岐阜県の相談窓口等にお問い合わせください。


研修に参加した方々の声


2年前に特定技能ビザで来日し、はじめは農業の仕事をしていましたが、体力的な問題から介護職に転職しました。いま働いている介護施設には外国人スタッフもたくさんいて、みんなで仲良く暮らしています。今日は利用者さんへの声かけや正しいケアの方法など、いろいろなことを学びました。明日からの仕事で生かしたいです。(インドネシア出身)

転職する前は、特定技能生として縫製工場で働いていました。仕事は楽しかったのですが、もっと日本語をうまく話せるようになりたいと思い、興味を持ったのがお年寄りとたくさん会話ができる介護職です。今日の研修に参加して、介護福祉士になりたい気持ちが強くなりました。これから一生懸命勉強して、合格を目指したいです。(インドネシア出身)

ミャンマーにはない「介護」という専門分野を勉強したくて、日本へ来ました。働いている施設は日本人スタッフも利用者さんも優しくて、毎日とても楽しいです。今日の研修は上司にすすめられて参加しました。同じ外国人介護職員として働いている人たちとお話ができて、私ももっとがんばろうという気持ちになりました。(ミャンマー出身)


■新人介護職員のための技術研修・交流会に関するお問合せ先
一般社団法人 岐阜県介護福祉士会(岐阜県委託事業)
TEL:058-322-3971


■外国人介護職員の受入れ・育成に関する相談窓口
中部学院大学 地域・産学連携課内(岐阜県委託事業)
TEL:0575-29-3005
メール:soudan@chubu-gu.ac.jp
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