イベントセミナー

「介護キャリア段位普及促進オンラインセミナー」開催レポート

update 2020/10/01

県内の介護事業所に勤めている方を対象にした「介護キャリア段位普及促進オンラインセミナー」が2020年9月9日(水)・17日(木)に開催されました。介護キャリア段位制度は介護職員の技量を客観的に評価し、専門性の向上や処遇改善につなげるため2012年11月に内閣府が創設したもの(現在は厚生労働省が所轄)。段位はレベル1からレベル4まで4段階あり、一定の講習を受けた同じ職場の先輩職員や上司らが「アセッサー」として、技能を評価するのが特徴です。

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▲特設スタジオからセミナーを配信


岐阜県健康福祉部 高齢福祉課の荒川哲人さんによると、岐阜県は介護キャリア段位制度の取り組みに積極的で「アセッサー数、レベル認定者数ともに全国トップクラスの実績」といいます。岐阜県介護人材育成事業者認定制度の認定要件として、グレード2ではアセッサーがいること、グレード1ではレベル4の認定者がいることと、キャリア段位の取り組みを促す項目を入れていることがその理由のひとつです。「今年度も岐阜・東濃・飛騨の3エリアでセミナーを実施予定でした。ところが新型コロナウイルスの感染拡大で、集合形式によるセミナーは開催が困難になり、急きょオンライン形式での開催に変更することになったのです。単純な映像配信ではなく、『YouTube』を活用したライブ配信型というのが特徴で、参加者の方が臨場感を味わいながら受講できるようにしました」と荒川さんが話します。

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▲岐阜県健康福祉部 高齢福祉課の荒川哲人さん


今回のオンラインセミナーは事前申し込み制で開催され、2日間で延べ39名が受講しました。講師を務めた和光会の篠田智史さんは、介護キャリア段位制度の概要や導入の必要性、効果などを、自法人の取り組み事例を交えながら解説。「これまで介護現場では難しいとされていた、業務経験を積み重ねるごとにスキル・やりがいが段階的に向上し、処遇改善につながっていく仕組みづくりが大切。キャリア段位制度は能力評価に客観的な基準を導入しているため、職場のOJTツールとして有効で、成長意欲のある人材の確保や定着が期待できる」と強調しました。篠田さんはセミナー中、チャット機能を活用してリアルタイムに受講者からの質問に対して回答するなどし、理解を促していました。

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▲和光会の篠田智史さん


オンラインセミナーのメリットは、なんといっても「どこからでも参加できること」です。「通常開催であれば、会場へ足を運ばなければなりません。でもオンラインセミナーは、インターネットに接続できる環境さえあれば、どこからでもセミナーを受講することができます。移動に費やす時間やコストを節約できるばかりでなく、スケジュールも調整しやすい。忙しい介護の現場にあって、実はこれがとてもありがたいことなんですね。今回のセミナーでは、業務の合間に職場の会議室などを利用して複数人で受講されるケースが多く見られました。オンラインと介護職員向けのセミナーは非常に相性が良いと思います」と篠田さんは話します。
岐阜県では今後も、オンラインを積極的に活用していく方針です。本サイトでも関連情報を随時発信していきますので、ぜひご注目ください。



セミナーを受講した方々の声


集合形式のセミナーだと、会場のプロジェクターに映し出された資料が見えづらかったりするが、今回のオンラインセミナーでは画面内に常に資料がリアルタイムで表示されていたので、見やすかった。


想像していたより簡単な手続きで受講することができた。「オンライン」と聞くと敬遠してしまう人もいるので、ホームページなどで申し込みから受講までのステップの説明があるといいと思う。


今まで外部セミナーはスケジュールの調整が難しく参加できずにいたが、オンライン開催ということで参加しやすかった。内容もわかりやすかったので、こうした取り組みはぜひ続けてほしい。

【配信期間:10/1~12/24】2020年度 外国人介護人材受入れ支援セミナーを行います

update 2020/09/11

【配信期間:10/1~12/24】2020年度 外国人介護人材受入れ支援セミナーを行います

【開催日:9/9、17】キャリア段位普及促進オンラインセミナーを行います

update 2020/08/07

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2020年度 在留外国人のための介護職員初任者研修

update 2020/07/09

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介護事業所への研修講師派遣制度

update 2020/07/09

介護事業所への研修講師派遣制度

「ICT・介護ロボット活用セミナーと展示・体験会」開催レポート

update 2020/02/06

介護現場におけるICT(情報通信技術)やロボット活用の意義・効果について広く知っていただくことを目的とした「ICT・介護ロボット活用セミナーと展示・体験会」が2020年1月24日、岐阜市司町の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」で開かれました。このイベントには多くの介護関連事業者が来場。事例発表や講演、展示・体験会などを通じて、介護現場のICT化とロボットの導入・活用で広がる可能性を共に考えました。

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「事例発表

事例発表では、介護現場にロボット機器やICT製品を導入した5つの事業所が導入の経緯や成果、今後の課題などを紹介しました。
特別養護老人ホーム「岐阜県立飛騨寿楽苑」は、ベッドの一部がリクライニング車いすに分離変形し、離床を支援するロボット介護機器「リショーネ®」を導入。寝たきりの要介護者を、抱きかかえずにベッドから車いすへ移乗できるため、介護者の身体的な負担の軽減が図れたといいます。同施設の尾沼美樹さんは「チルト機能(座面、座背面を前後に傾ける機能)がないなど、普及には課題があるが、進化への期待も大きい。今後、介護ロボットに関する知識や効果的な活用ノウハウを施設全体で継続的に学んでいきたい」と意欲を示しました。
リハビリ型デイサービス施設「レッツ倶楽部 下呂白樺」は、ICTを使って書類作成業務を効率化するソフトウェア「ラクウェア 」を導入。同施設の見廣道子さんは「入力がタッチパネル式のため、パソコンに不慣れな職員も取り入れやすかった。導入によってゆとり時間が生まれ、アセスメントやコミュニケーションが充実するなど、職員の意識改革につながった」と説明しました。

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「講演

続いて、一般社団法人白新会 Natural being代表で厚生労働省老健局の介護ロボット開発担当も務める福辺節子さんが『介護ロボットの活用と介助される人の「力を引き出す介助」』をテーマに講演。福辺さんは自らも義足ユーザーの理学療法士として、「介護する人・される人に負担のない技法」を説いている方です。
講演で福辺さんは「介護ロボット、ICTには大きな可能性がある。導入にあたっては目的や意味を明確にすることが大切」と強調。そして、自身が提唱する「対象者の力と意欲を引き出す介助術」のポイントを、事例を交えながら解説し、「対象者の心身の変化を身近で継続的に実感できる介護の仕事は本来、専門性が高く、魅力的な仕事。ロボットやICTをうまく取り入れて、介護の未来を明るくしていってほしい」などと語りました。


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「展示・体験コーナー

会場には、県内外の福祉機器メーカーら12社が参加した介護ロボット機器・ICT製品の展示・体験コーナーも。最新機器を間近で見られたり、実際に機器を操作して効果を体験できたりとあって、各ブースには人だかりができていました。
中でも来場者の注目を集めていたのは、サイバーダイン株式会社が製造するロボットスーツ「HAL®」。介護者の体に直接装着することで、腰への負担を25~40%軽減できるというものです。「HAL®」の販売協力を行うリコージャパン株式会社の中村美子さんは、「筋肉の信号から装着者の姿勢を読み取り、動作をスムーズにアシストしてくれるのも特徴。最新モデルは介護者だけでなく、要介護者もリハビリなどに使うことができるので、利便性や可能性の広がりを積極的にアピールしていきたい」と、語りました。機器を体験した人は「これを使うと、物を持ち上げる動作がとてもラクになる」と驚いた様子で話していました。
ダイコク電機株式会社が開発した、身長58㎝ほどのヒト型ロボット「NAO」は、コミュニケーション力が武器。人の顔や声を認識し、自然な会話が可能です。ゲームやダンスもでき、介護施設で「レクリエーション担当」として導入が進んでいるそうです。同社の榊原久さんは「NAOの導入で施設の雰囲気がより明るくなった、介護職員の負担が軽減したという声を多くいただく」と語っていました。
デイサービス施設の書類作成業務を最大90%削減することができるソフトウェア「ラクウェア」を開発したフロンティーク株式会社の三鴨正貴さんは「介護の現場では、多くの時間を手書きの書類作成に費やしているのが現状。ICT化すれば事務作業が大幅に効率化され、利用者のケアに集中する時間を増やすことができる」と製品をPRしていました。

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岐阜県では、ICTや介護ロボットの普及を後押しするさまざまな取り組みを行っています。2015年度からは介護施設向けに介護ロボット購入費用の補助制度も設けました。県からの委託で今回のイベントを企画・運営した岐阜県介護研修センターの三宅徳重さんと和田芳美さんは「ICTや介護ロボットは、介護業界の人材不足を解決する有効策として期待されているものの、現場で使いこなせるか不安などの声も多い。こうしたイベントで、実際に見て触れて試すことから始めてほしい」と話していました。

「ICT・介護ロボット活用セミナーと展示・体験会」は、2月19日に「セラミックパークMINO」、2月21日に「飛騨・世界生活文化センター」でも開催される予定です。ぜひ足を運んでみてください。


ICT・介護ロボット活用セミナーと展示・体験会チラシ(PDF:897KB)

【中止します】女性のための「これからの介護」セミナーを行います

update 2020/01/28

【中止します】女性のための「これからの介護」セミナーを行います

【開催日:2/7、2/12、2/25(中止)】キャリア段位 地域連携実践評価研修をおこないます

update 2020/01/10

【開催日:2/7、2/12、2/25(中止)】キャリア段位 地域連携実践評価研修をおこないます

【開催日:1/24、2/19、2/21】ICT・介護ロボット活用セミナーと展示・体験会を行います

update 2020/01/10

【開催日:1/24、2/19、2/21】ICT・介護ロボット活用セミナーと展示・体験会を行います

ぎふ・いきいき介護事業者「認定証授与式&記念講演会」開催レポート

update 2019/12/09

介護人材の育成と職場環境の改善に積極的に取り組む介護事業者であると認められた「ぎふ・いきいき介護事業者」の認定証授与式と記念講演会が、2019年11月21日(木)に、ぎふ清流文化プラザで開催されました。

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4回目となる2019年度は、グレード1から3まで新たに合計20の事業者が認定を受けました。会場入り口にはグレード1認定事業者の取り組みを掲載したパネルや、認定事業者の一覧が掲示され嬉しそうに見る姿や、写真を撮る姿が見られました。


「ぎふ・いきいき介護事業者 認定証授与式

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今回グレード1に認定されたのは「社会福祉法人 大垣市社会福祉事業団」「社会福祉法人 白寿会」「株式会社 新生メディカル」「社会福祉法人 桜友会」「社会福祉法人 慶睦会」の5つの事業者です。それぞれの代表に、兼山鎮也健康福祉部長より認定証が手渡され、コメントをいただきました。続いてグレード2、グレード3に認定された全ての事業者に認定証が手渡され、大きな拍手と笑顔に包まれました。

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来賓の挨拶には、当制度の創設にも尽力された中部学院大学 人間福祉学部 学部長 飯尾良英氏がステージに上がられました。「どのグレードなのかも大切だが、そのグレードに到達するまでの過程がとても大事」「認定を受けたことを広く周知してほしい」「認定を受けたこと=職員の安定や離職率を下げることではない」など、これからの努力が重要になると話されました。


「記念講演会

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記念講演会には、淑徳大学社会福祉学部教授 結城康博氏をお招きし、「介護人材の確保・定着における事業所の役割」というテーマで講演いただきました。「団塊の世代が要介護認定率50% 以上になる2035年頃に、介護難民が続発する。介護職に携わる生産年齢人口を確保するためには、全ての関係者が団結して取り組まないと他産業に流れてしまう。『働く人間が楽しい』と思える魅力ある職場環境にしていくことが一番大切。」など、約1時間の講演の後、質疑応答の時間も設けられました。東京都区内で介護職、ケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護の仕事に従事された経験や、現在、大学教授として大学生と接しているご自身の体験談を交えた内容に、参加者は興味深く耳を傾けていました。