介護の勉強 私たちらしい働き方

三戸邦彰さん

三戸邦彰さん

入職5カ月目
  • 事業者ジャンル

    その他の介護関連事業
  • 勤務先

    有料老人ホームあすか/一般社団法人明日の福祉を考える人たち
  • 取得資格

    介護福祉士、准看護士、ケアマネジャー
  • 取材年

    2022年

利用者様との信頼関係を大切に

仕事の価値をみんなで高めていきたい

介護職をめざしたきっかけ

高卒で就職を希望していましたが、部活ばかりで勉強をしてこなかった私に好待遇の求人は回ってくるはずもなく、それでもと、隅から隅まで求人票を見回してみて自然と目に留まったのが介護職員の募集でした。誰かに、分かりやすく貢献できるという点に惹かれたのだと思います。
自分は下の世話にも抵抗がないので大丈夫!と何も知らずに飛び込みましたが、実際に仕事をしてみると、身体的な介助よりも認知症など内面の対応の方が大変で…。利用者様に適切な声かけができずに怒らせてしまうなど、最初は大きくつまずきました。だから、一生懸命勉強しました。まず「認知症とは何か?」ということを独学で学び、得た知識を基に利用者様に接してうまくいくことがあれば自信にして、うまくいかなかったら先輩に相談したり、試行錯誤を繰り返しました。やっていくうちに知識も当然必要ではあるけれど、それ以上に一人ひとりの生活歴とか、何を感じて何をして生きてきた人なのかということを知ったうえで、声をかけることがすごく大事だと分かるようになりました。

私は今、こんな仕事をしています

現在はケアマネジャーとして勤務しています。“生きたケアプラン”を作るために心がけているのは、利用者様のことをよく知ったうえで、余計なことは書かないということです。まずは積極的に現場にも入り、時にはおむつ替えや入浴介助もやらせてもらうことで利用者様とコミュニケーションをとりつつ、現場の職員との情報共有も重視。そのうえで利用者様がしてほしいと思っていること、楽しみにしていることだけを、ケアプランとして書くようにしています。
利用者様には礼儀を欠かないよう気をつけてはいますが、できるだけ近いスタンスでフランクに会話するのが私のスタイル。その方が利用者様にいろいろな話をしてもらえると感じるからです。利用者様の家族に対しては、今もっている本人のイメージと現実の本人をできるだけ近づけてもらいたい。そして、利用者様の目指すべき生活について、家族と現場が同じものを共有できるのが理想です。
介護の仕事に就いて17年。これまで特養、老健、在宅支援センター、病院、グループホームに勤務し、社会人になってから准看護学校にも通いました。得てきた知識や経験の積み重ねが、多くの視点やアプローチを持つことへとつながり、すべてがケアマネジャーとしての現在の仕事に活かされていると感じています。

この職場でのやりがい/好きなところ

とくにやりがいを感じるのは、利用者様の望む生活ややってみたいことを実現できた時です。たとえばおむつをあてている人の「立つ練習をしてトイレに座りたい」という希望を叶えるため、みんなで協力することでできるようになり、喜んでもらえたりしました。まず利用者様と普段からしっかり関わりを持って話を聞き、それを職員みんなに伝え、一緒になって考えて取り組むことが大切です。その結果、利用者様の思いに応えられた時は、本当にこの仕事をしていてよかったと実感します。
今の職場のよいところは、無理のない働き方ができる点です。ケアマネジャー専属でやらせてもらっているので夜勤に入ることもなく、定時で帰ることができています。家事や子育てもしている身としては、ありがたいです。現場の職員を含めても、計画的な残業、利用者様の急変以外での残業はほとんどありません。有給の取得率も高く、労働環境としてはとてもよいと思います。また、まだ入職5カ月ほどですが、ほかの職員が知らない知識や経験を自分が持っているのに気づかされることもあります。それを少しずつ広めることで、利用者様にとってよりよいケアを提供できるようになることが楽しみです。

今後の目標

まずは人員を増やし、ケアの質を向上させることで、利用者様や地域のケアマネジャー、相談員などに選んでもらえる施設づくりを目指したいです。そのためにはまず、利用者様一人ひとりに関する情報共有を職員間で確実に行い、一体となってケアに取り組んでいく必要があります。積極的な話し合いを行うための会議の開催を提案し、実現できるように日々取り組んでいるところです。そして経営を安定させることで、現場の職員の報酬をアップさせ、やる気とともに介護職としての価値を高めていけたらと考えています。そして待遇改善のためには、みんなで介護の質を上げ、誇れる仕事をしていくことしかないのでは、と思っています。
介護の仕事は好きですが、待遇がよいとは言えないのが現状です。だからこの仕事を職にしていくためには、勉強してキャリアアップをしていかなくては、という考えで、介護福祉士、准看護士、ケアマネジャーの資格を取り、経験を積み重ねてきました。いずれ時間ができたら、社会福祉士の資格を取れるよう勉強もしたいです。学び続けることで専門性を高めていきつつも、何より大事なのは利用者様との信頼関係です。顔を合わせて話をし、その人が本当にしたいことをよく聞いて、叶える方法をいろいろな職種のスタッフと相談していけたらと思います。職場のみんなと力を合わせて、これからも利用者様を支えていきたいです。

※通常時はマスク着用。写真撮影時のみマスクを外しています。

私のワークライフバランス

子どもが生まれて間もないため、仕事以外の時間は家事と育児で忙しく、自分の時間はほぼありません。とはいえ夜勤も残業もないのは、本当にありがたいです。料理は好きなので、家族に食事を作ることがストレス発散になっています。育児は初めてのことで分からないことばかり。眠いから泣いているのだと分かっても、「だったら、寝ればいいやん…!」と思ってしまったり(笑)。何が大変なのかもよくわからないバタバタの日々ですが、いろんな声を出すようになったり、物をつかんで引っ張れるようになったり、日に日に成長していく姿を見て、すごいな、負けてられないな、と力づけられています。まさに“人生勉強中”といったところです。
子どもがもっと大きくなったら一緒にキャンプに行きたい。二人で火を起こしたり、肉を焼いて食べたりしてみたい。そんな日が来るのを楽しみに、仕事を頑張っています。
※インタビュー内容は取材時のものです。
  • 三戸邦彰さんが働いている認定事業者

    一般社団法人 明日の福祉を考える人たち

  • 岐阜県関市小瀬1109-1
  • http://www.askaseki.net/
詳しく見る

前のインタビューへ

次のインタビューへ