介護職をめざしたきっかけ
- 元々ホテルマンとしてフランス料理のレストランに勤務し、最高のサービスとは何か追い求める日々を送っていました。そんななか、介護の仕事をしていた姉の話を聞くうち、介護や医療こそが究極のサービス業ではないか、と考えるように。向いているのでは、と姉に勧められたこともあり、人の贅沢を支えるのではなく、人の命を支える仕事をしてみたいという思いで、介護業界へ飛び込みました。
「シニアホーム高山」のオープニングスタッフとして入社した当時は、何も分からず仕事についていくのが精一杯でしたが、経験豊富な先輩方の元で働きながら学ばせてもらい、3年目に介護福祉士の資格を取得しました。介護士の仕事を始めて20年近くがたちますが、想像していた通り、介護は“究極のサービス業”であると確信しています。
私は今、こんな仕事をしています
- 利用者の方々の身の回りの生活支援をしています。食事、排泄、入浴、身の回りの事などあらゆるお手伝いをする中で、前職のホテル業で学んだ、礼節、言葉遣いなどおもてなしの心が生かされていると実感しています。
心がけているのは、「忙しい時ほど待つ」ということ。利用者の行動はすべてがゆっくりです。早く次の仕事をしたくてつい急いでしまう時こそ、急かさずに待つ。そうすると結果的に早く物事が進むことが多いです。ゆっくり話すことで、かえって早く理解してもらえることもあります。
職員たちを束ねていく立場になってからは、最低一人ひとつはいいところを見るようにしています。人より少しだけ掃除が丁寧だとか、挨拶の声が大きいとか、ささいなことでもいい。長所に気づくことで職員をリスペクトでき、一人ひとりへの対応の仕方も変わってきます。何かあったときにも大らかな気持ちで向き合えるのではないかと思います。
やりがいを感じる時
- この施設のよいところは、スタッフの数が多いこともあり、余裕をもって利用者とふれあえることです。業務に追われすぎず、利用者と座って雑談ができる時間も多いです。スタッフ同士のチームワークもよく、意見交換もさかんで、新しいやり方を柔軟に取り入れていく風土があります。
とくにやりがいを感じるのは、利用者のできることが増えたときです。病院で寝たきりだった方が入所されてから自分で車椅子に乗って動けるようになったり、オムツで排泄されていた方が、ご自分でトイレに行けるようになったりする姿を目にするのは大きな喜びで、「これぞ究極のサービス業!」と実感。個別機能訓練に力を入れて利用者のADL(日常生活動作)を向上させていこうという考えが根付いているのもこの施設の特徴なのです。
終身利用ができる施設なので、ここで亡くなる方もおられます。ご本人が満足されるのはもちろん、「“シニアホーム高山”に入れてよかった!」とご家族に言ってもらえた時にも、「やっていてよかったな」と心から思えます。
今後の目標
- 利用者、スタッフにとっていい環境が作れていると思うので、そんな「シニアホーム高山」を守り続けていきたいです。簡単なことではないからこそ、まずはそこに尽力したいです。
そして本音を言わせてもらえば、スタッフを束ねていくという今の立場は次の世代に譲って、直接利用者とふれあってお世話をする仕事に集中したいです。より専門的な知識を身につけるため、認知症に関する研修や喀痰吸引研修を受けさせてもらいました。体が動く限りは、裏方よりも介護の現場で、“サービス業”を追求し続けたいと思っています。
※通常時はマスク着用。写真撮影時のみマスクを外しています