介護職をめざしたきっかけ
- 子どものころ、母が海外で働いている間は祖父母の家に住み、私の面倒を見てくれていました。祖父母が年を取ったら「今度は私がお世話をする番ね」と約束していました。ところが高校生のときに2人とも亡くなってしまいました。祖父母から受けた愛情や思いやりを返せなくなってしまったことが寂しくて、お年寄りに会うたびに、その約束を思い出す日々でした。その頃から少しずつ介護の仕事に興味を持ち始めていましたが、生まれ故郷のフィリピンには当時、介護施設というものはありませんでした。大学を出てしばらく教師として働く中、EPAによるプログラムを知りました。「資格や経験のない私にできるかな」と不安でしたが、フィリピンと日本で半年ずつ研修を受け、日本語をしっかり勉強。2014年12月からケアポート白鳳で働き始めて、2018年3月に介護福祉士の資格を取得することができました。温かくサポートしてくださった職場の皆さんのおかげですね。
私は今、こんな仕事をしています
- 正職員として、食事・排泄・入浴・整容・移乗など、あらゆる日常生活動作の介助をしています。部屋の掃除や整理整頓も行います。これらの仕事を通して最も大切なのは、利用者様の行動や改善点を把握し、理解すること。それをまた仕事に活かすことで、利用者様のさらなる喜びにつながるのではないでしょうか。フィリピンでは小学校や幼稚園の先生をしていましたが、介護は子供の世話と似ている部分もあり、前職で学んだ「情熱を持って取り組むことの大切さ」が今の仕事でも活かせていると思います。夜勤にも入り、日本語で申し送りから介護記録を書くことまで任せられています。
ほかにも利用者様と一緒に歌ったり、塗り絵をしたり、転倒予防体操を行うことも。今はレク・行事委員長の仕事もしていて、起案書も自分で書いています。フィリピン人の後輩もたくさんいますので、手本となるよう恥ずかしくない仕事をしていきたいですね。
この職場の好きなところ
- 郡上に初めて来たときは冬の寒さにビックリしましたが、職場の皆さんはアパートへの荷物運びを手伝ってくれるなど優しい方たちばかりで安心しました。仕事を始めたころも職場内の細かなことも丁寧に教えてくれ、資格取得に向け勉強しながら働く私を手厚くサポートしてくれました。
利用者様も、多少の言葉の壁があっても、いつも素敵な笑顔を見せてくれます。「ありがとう」「あなたのおかげで楽しく過ごせたよ」と声を掛けてくれたときは、もっともっと頑張って働こうと思いますね。この仕事は体の状態を把握し、お気持ちを共有できれば、国籍や言葉は関係ありません。お互いに笑顔になり、感謝の気持ちを受け取ったときは本当にやりがいを感じます。
今後の目標
- まずは今行っている仕事の質を高めていくことだと思っています。「委員会活動で、委員長としての役割を果たすことができるように」「自己の経験を活かし、後輩にアドバイスができるように」「利用者様やご家族と円滑なコミュニケーションを築くことができるように」「上司や先輩に報告・連絡・相談ができるように」「後輩に指導的にかかわることができるように」。この5つの「できるように」をもっとレベルアップしていきたいですね。