介護職をめざしたきっかけ
- 私が小学1年生の時、母親が病気で他界しました。入院して闘病生活を送っていた母を見て、子どもながらに何かしてあげられないものかと思いましたが、結局何もしてあげられなかったことを覚えています。高校生の時に特養の見学に行く機会があり、利用者様が趣味の写経を行っておられました。ゆったりした空間が、どこか心地よく、祖父母と一緒に生活したことのない私にとって、高齢者と接することは新鮮なことでした。そこから介護に興味を持つようになり、福祉の学校へ進学。様々な実習先で学ぶ中で、ますます介護の仕事に魅力を感じるようになりました。そんな実習先の一つがいぶき苑でした。通うには遠かったため、4週間泊まりでの実習でしたが、当時は毎朝、苑内にお経のテープが流れ、その音で起こされ正直キツかったのも良い思い出です(笑)。いぶき苑での実習で利用者様の温かさに触れ、ここで介護の仕事がしたいと思いました。
私は今、こんな仕事をしています
- いぶき苑に就職し、9年間現場で介護業務を行ってきました。その後、前任の生活相談員が退職した関係で相談業務に携わることとなり、生活相談員として入退所の支援業務を中心にご家族や地域とのつながりが増え、この仕事の重要性を学ぶことができました。また、多職種間の連携役としてチームケアの大切さも学ぶ良い機会となりました。私にとって生活相談員としての経験は大きな力となり、自信にもつながっています。
今年度、10年ぶりに介護部署に異動となり、現在ユニット型特養の介護長をさせていただいています。介護スタッフが働きやすい環境で、やりがいを持ち仕事ができるよう普段からのコミュニケーションを大切にしています。また、リーダーや指導的立場を担うスタッフを育成していくことも私の役目だと思っています。
多職種連携により、利用者様の夢や希望を把握し、チームでかなえていけるよう頑張っていきたいですね。
この職場の好きなところ
- いぶき苑は職員が働きやすく、長く勤められるように様々な工夫を行っています。その一つが年休取得促進のための取り組みです。年間の公休は117日で、年に1回、有休との組み合わせで連続5日間以上のリフレッシュ休暇を取得することができ、趣味や旅行等に活用することで心も体もリフレッシュできます。働きやすさは私自身が21年目を迎えていますので、自信を持ってお勧めできます。
新人職員にはプリセプター制度があり、2~3年程度の先輩がマンツーマンで教育担当となり、業務上の疑問、悩み、プライベートなことも相談することができます。
その他にも資格取得支援の制度があり、取得にかかる費用を全額貸与し、取得後に3年間勤務すると返済の必要はありません。
また、介護ロボットの導入にも積極的で、見守りセンサーや移乗サポートロボットを採り入れ、利用者様のQOL向上はもちろん、職員の肉体的・精神的負担を軽減しています。
地域貢献にも積極的に取り組んでおり、地域に開かれた施設として、認知症カフェ、脳の健康教室、おもちゃ図書館といったイベントを開催。また、地域交流スペース「花ホール」を無料開放し、地域の方々に使用していただいています。
今後の目標
- 介護スタッフがやりがいを持ち、若い職員から多くの意見や提案が出てくるような活気ある職場にしたいです。そのためにも、チームケアとして皆が同じ方向を向いていけるよう努めていきたいと考えます。
また、介護の根底にある利用者様の「尊厳の保持」のため、心に寄り添えるよう信頼関係を構築していきたいと思っています。看取りまで行う施設なので「もっとこうしてあげたかった」と悔いを残さないよう、お一人お一人のことを今以上にしっかり理解していきたいと思います。
今年度、介護職員初任者研修の非常勤講師のお話をいただき、私自身のスキルアップのためにも務めさせていただきました。来年以降もこのような機会をいただければ積極的に取り組んでいきたいです。そして、国家資格である社会福祉士に挑戦することも考えています。