介護職をめざしたきっかけ
- 20代前半の頃、名古屋にあるファッション関係のショップで販売の仕事に従事していました。お客様の笑顔のために働くという喜びを実感し始めていたものの、長期的な視点で働き続けることを考えた時、かねてより関心を抱いていた福祉の仕事に携わりたいという思いが強くなりました。
介護職を目指す第一歩として、まずはヘルパーの講習を受講。2006(平成18)年にヘルパー2級の資格を取得し、当苑へ入職しました。高齢者の方と接することに慣れていなかったこともあり、入職当時は、利用者様が希望される介助をすることがやさしさであるという意識が働き、つい必要以上に介助をしてしまう場面も。自立を目指すためのケアプランと、利用者様の意思の狭間で、優先するべきことに困惑することもありました。
しかし、充実した教育制度や上司・先輩職員の方の指導のおかげで一つひとつハードルを越えることができ、次第に“支援とお世話の違い”を理解できるようになりました。
私は今、こんな仕事をしています
- 現在は認知症専門棟で介護主任(施設介護支援専門員兼務)として働いています。利用者様が笑顔で穏やかに、元気に楽しく過ごせること、療養できることを目指し、職員一同、力を合わせて取り組んでいます。
全員参加で毎月一回行われる棟会議では、利用者様一人ひとりのケア方針などを決定。棟の職員全員が、共通理解のもとに同じ目標に向かってケアにあたることができる重要な場となっています。
また、施設介護支援専門員としては、利用者様の望みや願い、長所を活かしたプランを立案できるように試行錯誤。ご家族の思いもくみ取りながら、利用者様を共に支えるという立場として、信頼関係を構築できるように励んでいます。さらに前職の接客業で培った接遇マナーを活かしながら利用者様、ご家族の方に安心していただける存在でありたいと願っています。
その他、教育委員として毎月1回開催する勉強会に従事。2017(平成29)年10月からはアセッサーとして評価対象者の指導も行っています。
この職場の好きなところ
- 施設長をはじめ、事務長、看護師長、上司の方々は、働く職員それぞれに気を配り、悩みごとや困ったことがある時は常に相談に乗ってくださいます。またスタッフ間の風通しも良く、情報共有や報・連・相の意識が徹底されているため、一人で抱え込むことなく前向きに明るく働くことができています。
さらに人材育成の充実も、当苑の特色の一つです。OJTとOFF-JTを組み合わせて各職員のスキルアップ、キャリアアップを後押し。受験料の補助などにより、多くの職員が介護福祉士や介護支援専門員の資格を取得しています。私自身も資格やキャリアを活かして働いている先輩職員の姿に触発され、様々な資格を取得。2010(平成22)年の介護福祉士に始まり、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員、アセッサーを取得しました。実習期間の勤務調整など、職場全体の理解、サポートがあったからこそ資格取得を実現できたのだと思います。
元々、介護に関してはまったくの素人だった私にとって、利用者様のニーズに対応するために、倫理・知識・技術を正しく理解することが必要不可欠でした。もちろん、資格取得を目指して取り組むことは時間的にも体力的にも精神的にも大変なことではありますが、一つずつ知識や見聞を広げることで利用者様の言動の背景を理解できたり、これまでとは違った声掛けができたり、対処する手法の引き出しが増えていることを実感しています。
今後の目標
- 今後は、資格取得を目指す後輩職員のサポートをすると同時に、OJTを通じて職場全体のスキルアップを図ることも私の役割だと感じています。スタッフ一人ひとりがスキルアップ、キャリアアップを目指して、互いに切磋琢磨しながら学び合える雰囲気が、より一層浸透していくよう働きかけをしていきたいです。
また、高齢者福祉に携わる者として、最終的な目標は、地域の高齢者の方々が住み慣れた地域で、安心してその方らしい生活を継続していくこと。そのために在宅復帰のケースなど、利用者様が他サービスを受ける場合にも、私の職種、立場としてできる役割をしっかりと考え、相手担当者と適切に連携できるような支援を目指していきたいです。