介護職をめざしたきっかけ
- 幼い頃から、人一倍「おじいちゃん子」だった私。毎日一緒に近所を散歩したり、毎週のように近くの健康センターに出かけたり、とてもかわいがってもらいました。そんな祖父が自宅で転倒し、急性硬膜下血腫になったことが引き金となり、寝たきり生活に。自宅で介護を続けましたが、私が中学3年生の頃に他界しました。
祖父は認知症を患っていたこともあり、私は介護をしながら心ない言葉を発してしまったり、きつくあたってしまったりすることもありました。もし自分が、介護や認知症に関する知識を持っていたら、祖父に対してもっと違う対応ができたのではないか、もっと穏やかに見送れたかもしれないという後悔の念から、介護の仕事に就く決心をしました。
私は今、こんな仕事をしています
- 特別養護老人ホームで、排泄や食事の介助、入浴の介助などを行っています。介護職に就く前に抱いていた理想と、今目の前にある現実は大きな隔たりがあり、入所者様の気持ちをくみ取れずにイライラすることもしばしば。無意識の内に「何かをしてあげている」という気持ちになると、その気持ちがすぐに入所者様に伝わってしまいます。今は、自分の都合や思いだけではなく、入所者様のことを第一に考えること。そして目を合わせて、まずは話を聞くことを心がけています。
介護の仕事に就いて3年目に入り、入職したばかりの頃と比べると、少しずつ入所者様の様子がわかるようになりました。特に食事の際などは、食欲がない理由がわからず悩む場面などもあったのですが、今は身体的な機能レベルが低下していることに気付き、食事の形態を変える提案を自分からできるようになるなど、自分自身の成長を感じられることもあります。
成人式の時には、晴れ着姿で施設を訪れると涙を流してくださる入所者様がいるなど、心が通っているという実感が励み。「孫みたいでかわいいね」、「中園さんにお風呂に入れてもらう時は安心するよ」などと声をかけてもらえることが、一番の喜びです。
この職場の好きなところ
- 特別養護老人ホームは、入所者様にとって「終の棲家」になることも少なくありません。一人ひとりの人生の最後のワンシーンを一緒に過ごさせていただけるということは、とても光栄ですし、貴重な経験だと感じます。
入職して最初に担当した入所者様が亡くなられた時、悲しみを抑えることができず、通夜で涙を流してしまいました。しかし、その時先輩に「感情を出しても良いんだよ」と言葉をかけていただき、とても楽になりました。すべてを仕事だと割り切るのではなく、ご家族と同じ気持ちで接しているからこそ、悲しみが込み上げてくる。その気持ちを無理に抑えることなく大切にしながら、これからも入所者様と向き合い、一緒に時間を過ごしていきたいと思っています。
また、職場では「今日元気ない?」「髪、切ったね」など些細な変化に気付いて声をかけてくれるなど、職員同士がとても仲が良く、互いに悪い所、良い所を言い合える関係です。他の職種の方と仕事をすることが多い点なども含め、切磋琢磨して高め合える環境だと感じます。
今後の目標
- 高校卒業後、すぐに入職したこともあり、現在は資格を持っていません。知識や技術的にわからないことが多く、先輩に相談したり、先輩の仕事ぶりを見ながら学んだりしています。仕事をすればする程、自分の未熟さを痛感する日々。今後は、実務者研修を受講し、介護福祉士の資格取得へ向けて学びを重ねていきたいです。
また、スキルアップ、キャリアアップのためには、自分本意にならず「入所者様のことを第一に考える」という初心を、これからも決して忘れることなく、日々のケアにあたりたいと思います。