「新人介護職員のための技術研修 1日だけのバージョン研修」開催レポート
update 2020/11/06
岐阜県内の介護事業所で働く入職後3年未満の介護職員を対象にした「新人介護職員のための技術研修 1日だけのバージョン研修」が2020年10月1日(木)・2日(金)・22日(木)・23日(金)・26日(月)・27日(火) の計6回、岐阜・東濃・飛騨の3圏域で開催されました(主催:岐阜県・委託先:一般社団法人岐阜県介護福祉士会)。ワークプラザ岐阜を会場に開かれた10月26日(月)の研修には21名が参加。介護職に求められる知識や技術について学びました。
例年、各回2日間の日程で開催していましたが、コロナ禍の影響で受講定員を減らし、1日のみの短縮スケジュールに変更。アルコール消毒、換気、マスク・フェイスシールド着用などの感染症予防対策を行ったうえで、講師陣が参加者にコミュニケーションに関する講義や、モデル人形を使った実技のデモンストレーション指導をしました。
研修会の最後には、事前に参加者から募った悩みや疑問に対し、講師陣がそれぞれの現場経験を交えながらアドバイスを送る時間も。「わからないことや、おかしいなと思うことがあったらそのままにせず、職場で発信してください。ひとりで抱え込まないことが大事」などと語りかける講師の声を、参加者は真剣な表情で聞いていました。
研修会を終え、参加者からは「技術面での疑問が解決できた」「学んだことを明日から実践したい」「同じ志を持つ人たちと出会えて励みになった」などの感想が聞かれました。
講師・浅井タヅ子先生に伺いました。
介護は、心を持った生身の人と向き合う仕事。ゆえに介助やコミュニケーションの方法に「正解」はありません。でも、原理原則はちゃんとあって、それを利用者様お一人おひとりの状態に合わせて日々応用しながら実践していくんですね。これほど奥が深く、やりがいを味わえる魅力的な仕事は他にないのではないかと思います。
ただ、一朝一夕には「仕事が楽しい!」と思えるようにならないのも介護職の現実。ではどうすればいいかというと、やはり原理原則をしっかりと身につけることが必要です。それも新人のうちに。自己流のやり方では体に負担がかかって腰を痛めたり、思わぬ事故につながることもあります。今回の研修ではその点を重視して、介護職に求められる基本スキルをできるだけ広く実践的に学べる内容にしました。
参加者の方々の前向きで一生懸命な姿に、私たち講師陣も大いに刺激をいただきました。みなさんとの交流によって、新たな気づきを得ることもできました。
▲講師:浅井タヅ子先生(岐阜県介護福祉士会会長)
講師・今井まや先生に伺いました。
介護の現場は人手が少なく、とても忙しいのが実情です。入職して比較的早い段階から仕事を任され、わからないのになかなか質問しにくいと感じてしまったり、コミュニケーションの行き違いが生じることも珍しくありません。こういったことが新人介護職員の離職理由につながっているのだとしたら、とても残念ですよね。だからこそ、今回のような研修にぜひ積極的に参加していただきたいと思います。入職後3年未満の時期というのは、介護現場で実際に働いたうえで悩みを持っている方が多いので、知識や技術を再確認したり、同じ境遇の外部の方々と接したりする機会が大切なのです。
私の講義は「楽しく!」がモットー。真剣かつ笑いの絶えない時間になるのが理想です。楽しく学んで「こういう風にやればいいんだ」とか「悩んでいたのは自分だけじゃなかったんだ。明日からまたがんばろう」とか、何かひとつでも気づきを持ち帰ってもらえたらうれしいですね。また次回、介護の未来を担う方々とお会いできるのを楽しみにしています。
▲講師:今井まや先生(介護福祉士 岐阜県音楽療法士)