介護職をめざしたきっかけ
- 高校を卒業して就職先が決まっていなかった私に、叔母が介護職を勧めてくれました。叔母の母が介護老人保健施設に入所していたこともあり、縁があってその施設を紹介してもらい、働くことに。当時は介護についての経験や知識が全くなかったため、就職して半年間の仕事は、掃除や洗濯、シーツ交換といった清掃作業のみ。さらに半年ほど経ったあと、やっと利用者様とコミュニケーションがとれる仕事を担当させてもらえるようになりました。仕事についての教育や研修などはほとんどなかったため、先輩の見様見真似で仕事を覚えていくのは大変でしたが、実際に利用者様と接することで喜びも増えて、仕事にやりがいを感じることができるようになったと思います。当時の施設で働いた8年間は、介護の基礎を叩き込んでもらった貴重な期間でした。その後、現在の施設に入職をしたので、20年以上介護にかかわる仕事をしています。
私は今、こんな仕事をしています
- やすらぎの里 川部苑が開設するタイミングで入職。今年で社歴が15年になることもあり、現在は管理業務が主な仕事です。出勤するとまず、前日の引き継ぎ書類の確認をして情報収集をします。弊社は特別養護老人ホームとショートステイがあり、利用者様の人数も多いので、なるべく効率よく書面で必要事項を確認。その後、それぞれの利用者様の元に出向きます。身の周りのお世話や介助は、ほかのスタッフが担当してくれているので、私は利用者様の様子を自分の目で確認することを目的に声かけをします。ほかには、外部のケアマネジャーさんとの打ち合わせや、新規の入居依頼の手続き、ケアプランといわれる介護計画書の作成といった業務を進行。ヘルプの依頼があった場合は、入浴や見守りなどの介助の仕事も担当して、少しでも現場スタッフの負担を軽減できるようにしています。
また、若手や経験の少ない職員へのアドバイスも仕事の一つです。例えば、ベッドから車いすへの移乗が難しいという悩みがあれば、実際に一緒にやってコツをつかんでもらう。未経験であってもすぐに現場で働かなくてはいけない職場なので、わからないことや不安なことは、なるべく解消してあげられるように心がけています。
この職場の好きなところ
- 毎日利用者様と接していると、些細な変化を感じることができます。まず顔を認識してもらえるようになって、次に名前で呼んでくれる。そうやって過ごす中で、私のことを本当に信頼してくれていることが伝わり、非常にやりがいを感じます。特別養護老人ホームという施設の役割上、最期を過ごす場所として、看取り介護をする機会も少なくありません。ほかの職員と一緒になって、どんな音楽が好きだったか、どんな環境で過ごしていたか、などを掘り起こしながら、利用者様にとって幸せな最期を過ごしてもらえるように、できる限りのことをして最善を尽くしています。そういった働きに対して、家族の方に「ここで最期まで見てもらって良かったです」と労いの言葉をいただけたことがあり、とてもうれしかったですね。
今後の目標
- 未経験で入職するスタッフの数が多いので、介護職のスタート資格といわれる「介護職員初任者研修」の資格を弊社の施設内で取得できるように体制を整備していきたいです。働きながら社外に出向いて資格を取得する苦労を知っているので、できるだけ負担を減らしたいという思いがあります。資格は給与や昇給にも影響するので、社歴の浅いスタッフや若手スタッフのモチベーション向上のためにも、積極的に取得できる環境を整えていきたいですね。
また私自身は、若手の育成に力を入れたいと思っています。介護業界はどうしても大変な面がクローズアップされがちですが、苦労ばかりではありません。楽しい面やこの仕事だからこそ味わえるやりがいを周知していきたいです。