介護職をめざしたきっかけ
- 20歳の頃、就職した企業の職場環境に馴染めず、退職した私に父が介護職を勧めてくれたことがきっかけです。この仕事に就く前に抱いていた介護職に対するイメージは、腰痛、排せつ物の処理などネガティブなものばかりでしたが、とにかく仕事を見つけなくてはという思いが強く、現在の職場に就職しました。実際に働き始めてからは、排せつ物の臭いに悩まされたり、耳の不自由な方とのコミュニケーションに苦労したり、移乗の際に身体を持ち上げることができなかったりと、思うようにいかないことばかり。介護職の知識や経験がない上に、社会人経験が乏しい状態で入職したこともあり試練の連続でした。
しかし、大きな転機となったのは入職後3、4年が経った頃、自立支援の考え方に出会ったことです。利用者様それぞれが大切にしている生活、価値観を尊重するという考え方に共感し、介護職に対する向き合い方が大きく変わりました。それまで抱いていた支援をする、介護をするという思いから、ADL(日常生活動作)については、利用者様ができる範囲のことはなるべく実践していただくように、意識を転換。一人ひとりが望む生活を実現するために自分に何ができるかという視点で考えることで、今の仕事に誇りを持ち、心から楽しめるようになりました。
私は今、こんな仕事をしています
- 現場仕事としては、食事や排せつ、入浴など日常生活の介助を主に行っています。その他に、班長として現場の業務が円滑に進むよう管理・統括をすること、排せつ委員会として利用者様や時間帯ごとに最適なパッドを検討すること、レクリエーション委員会として年間のレクリエーションの計画を練ることなども担当しています。また新人職員の技術指導をはじめ、ケアマネジャーの業務として認定調査の立ち会い、生活相談員との打ち合わせ、ケアプラン作成を担当するなど、幅広い業務を任せていただいています。
今は、現場から事務仕事まで多岐にわたる業務に従事できることが、自分自身のやりがいにつながっています。例えば、現場の状態を肌で感じることで、ケアプラン作りに反映できたり、逆に書類作成をする中で利用者様一人ひとりの細かな情報を把握することができるため、利用者様と接する時のヒントにつながったり。
できることが増えることで選択肢が広がり、利用者様一人ひとりにとって何がベストか、何を一番望まれているのかということを深く考えることができます。いろいろな観点や情報を踏まえた上で、最適な道を探ることができるようになりました。
この職場の好きなところ
- 職員が個性を伸ばせる職場環境です。移乗介助が得意な人、コミュニケーションが上手な人など、職員の特性も様々。その中で一人ひとりの良いところを活かしつつ、フォローし合うという意識が浸透しています。個人で頑張るべき部分では周囲は見守り、自立心を大切にする。みんなで支え合うべき時はチームプレーで取り組む。個とチームのバランスが非常に保たれている点が、働きやすさにつながっていると感じます。
また、様々な職種の方と共に働けることも、刺激になります。特に、私が介護職に携わる中で一番印象に残っているのは、2~3年前にチームを組んで行った自立支援に関する取り組み発表です。栄養士、生活相談員などと多職種連携を図りながら、利用者様の自立支援を促すために食事や介助法の見直しなど、様々な試みを行いました。その結果、桜が見たいという願いを叶えることができ、以前よりも笑顔が増えたことで、自立支援の取り組みにやりがいと手応えを感じることができました。
その他にも、最新の機器を導入することで職員の身体的負担を軽減、多様な研修の実施や資格取得に対するサポートと、未経験者でも安心して働くことができる環境が整っています。
今後の目標
- 社会福祉士の資格を取得することが一番の目標です。今、介護職の現場では、一年一年、技術や考え方、制度などが目まぐるしく変わっています。社会福祉士になることで最新の情報を取り入れ、自分自身のできることを増やしていきたいです。
その結果、幅広い選択肢の中から利用者様の個性に合わせた介護方法を検討することができ、利用者様も介護する側も負担なく、日々を過ごせるようになることを目指しています。