介護職をめざしたきっかけ
- 学生時代に子どもの心理の勉強をした経験から福祉に興味がありましたが、以前は別の仕事をしていました。この仕事に意識が向いたのは、母が小脳内出血という病で倒れた時、介護をしていくのは自分しかいないと思ったからです。結局、母は兄と暮らすことになりましたが、私はこれを期に介護を仕事にしようと決めました。当法人の募集を見て、三菱電機グループという母体企業の安心感があったのと、利用者様との一体感のあるグループホームという環境が母の介護にも生かせると思いました。資格の勉強もバックアップしていただき、働きながら介護福祉士の資格を取得して頑張っています。
私は今、こんな仕事をしています
- 1ユニット9人というスタッフの目が届きやすい規模で、一人ひとりの利用者様とじっくり向き合いながら働いています。施設の部屋は「自宅」という考えで、今までの生活環境と同じになるよう家具などを持ち込み、ありのままの状態で生活していただいています。また、ここの生活のなかで新たな生きがいを見つけられるよう、きっかけ作りをするのも私の仕事。例えば、認知症で今までできたことができなくなってしまったという場合でも、その方が人生で経験し身体で覚えてきたことを、ご家族の方から情報を集めながら紐解いていきます。縫物や編み物など、かつてご本人が得意だった手作業を提案することで思い出していただけることも。「他にも何か違うことができるのでは?」と、常に発見できるよう意識しています。
やりがいを感じる時
- 介護の仕事はきれいごとでは語れない仕事です。でも、高齢化社会の現在、増えていくと言われている認知症の方々を助けられるのは私たち介護者です。「どうせ認知症だからできないでしょ」という所で立ち止まらず、その人のできることを生かす方法を一緒に寄りそって考えていけるのは、介護の仕事ならではの魅力です。だから、もっともっと自信をもっていいと思います。利用者様が自分の気持ちをうまく言葉で表現できなくても、さりげない表情の変化や動作には必ず意味があります。私も勉強しながらですが、感じ取れていけたらなと思っています。家族で自宅介護をしていると「何でできないの?」などと、どこかで限界がきてしまうと思いますが、客観的に向き合える介護施設を頼って相談していただけたらと思っています。そしてやっぱり、ご家族様に「本当にありがたいです。本人も幸福でした」などのお言葉をいただいた時は、「良かったなぁこの仕事で」と思いますね。
今後の目標
- スタッフ同士声をかけ合いながら、チームワーク良く利用者様の支援をさせていただいています。なかでも役に立っているのが、会社が導入している認知症の人のためのケアマネジメントシート、センター方式の活用です。これは、利用者様が発した言葉や様子などをシートに記録することで、ご本人のことをさらに掘り下げて理解し、ケアに取り入れるという取り組みです。ケアの目標をスタッフ全員が共有するために、とても大切な仕組みだと思います。ですから、ただ文字を書いてシートを埋めるだけでなく、利用者様が笑顔になった言葉や理由などをもっと突き詰めていけたら、より良いケアにつながると思っています。