介護職をめざしたきっかけ
- 障害児の保育をしていた母の影響で、幼い頃から福祉の仕事に興味がありました。さらに短大生のころ、病院でボランティアをしていて、あるヘルパーさんの仕事ぶりに感銘を受けたんです。食事が摂れず入院していた患者さんに対して、私はご飯を口に運ぶまでのすべてを介助していました。ところがそのヘルパーさんは「あの患者さんは自分で食べられるはずだから、少しは自分で食事をさせてあげよう」とアドバイスをしてくださったんです。半信半疑だったのですが、徐々に自分で食べられるようになり、寝たきりから歩けるまでに回復して退院されました。ヘルパーさんの患者の状態を洞察する力や、厳しくも優しい対応に感動し、私もそんな風になりたいと思い、介護の仕事につきました。以来20年近く、あのヘルパーさんが今も私の目標です。
私は今、こんな仕事をしています
- ケアマネージャーと介護の両方を担当しています。ケアマネージャーとして計画したことを自ら実践できるので、やりがいもひとしおですね。利用者様本人とご家族に希望や目標を聞き、ケアプランを作っているのですが、本人がうまく表現できない希望も汲み取れるよう気を配っています。日々会話を重ねたり、他の担当スタッフからも話を聞いたり。「男同士なら話せる」というようなこともあるようで、みんなで情報を共有するようにしています。
この職場の好きなところ
- ケアプランが形骸化せず、きちんと実行できていることです。3ヶ月に1回、家族会議を開き、施設での様子や目標達成度を話し合っているので、利用者様・ご家族・スタッフみんなが目標を共有できています。買い物に行ったり、畑仕事をしたりと、ご本人が望むより豊かな生活のお手伝いができています。利用者様自身も目標を達成することで意欲を取り戻し、どんどん積極的になられるんですよ。看取りもしているのですが、ここでもご家族の望むカタチをなんとか叶えようと努めています。
ふれあいやスキンシップを大切にしているのもいいですね。朝礼では、スタッフが利用者様一人ひとりとハイタッチをしています。小さなことですが、気持ちが明るくなり、お互いの心の距離が近くなるのを感じます。利用者様も家族もスタッフも、同じ目的に向かって歩んでいけるのがうれしいです。
今後の目標
- さまざまな外部研修を受けるたびに、たくさんの気づきを得てきました。認知症ケア専門士に続いて、マイスター研修にも参加しています。現場をたくさん経験された講師から、実践的な知識を学んで日々の仕事に活かしています。ケアマネージャーとして職場での研修講師も務めるので、みんなの前で自分の知識や思いを伝えられるよう、自分自身のキャリアを振り返って前に進んでいきたいです。