介護の勉強 私たちらしい働き方

山田育史さん

山田育史さん

入職9年目
  • 事業者ジャンル

    その他の介護関連事業
  • 勤務先

    グループホーム てんじゅ/有限会社 賃貸ルーム(認定事業者)
  • 取得資格

    なし
  • 取材年

    2018年

家族のように心が通う瞬間が喜びに

自分らしい接し方で打ち解ける工夫を

介護職をめざしたきっかけ

水道工事や土木工事などの仕事をしていたものの、仕事内容や職場になかなか馴染むことができず、新しい仕事を探していた私。そんな時、介護の仕事に携わっていた叔母から「気性が穏やかでもの静かなあなたは、介護職に向いているのでは?」とアドバイスをもらったのがきっかけでした。それまで、まったく視野になかった介護職の道について情報収集をするために、まずはハローワークへ。介護職に関する多くの求人情報の中から、資格や経験を問わず、性格や適性で判断してくれた今の事業者への就職を決めました。

私は今、こんな仕事をしています

要支援2または要介護1〜5の認定を受けた認知症の方の生活介助や、談話、レクリエーション、外出や散歩のサポートなどをしています。介護の仕事自体がはじめてであり、認知症の方への対応など、入職当時は戸惑うことばかり。特に苦心したのは、男性であるということだけで女性の入所者様から拒絶をされた経験です。「どのように向き合えば受け入れてもらえるのだろう」と思案する中で、マスクでヒゲを隠したり、親しみやすいキャラクターが描かれたエプロンを着けたり、穏やかに話しかけることを心がけたり、女性の方の心の壁や警戒心を取り除くためにさまざまな工夫をしました。また、短期記憶障害のある方と話をする時には、1秒ごとに話の内容が変わるという状況をまずは受容することから始め、話題作りのために、テレビやインターネットなどで情報の引き出しを増やすよう心がけました。
そして、どのような入所者様と接する際にも一番重視していることは、笑顔を絶やさないこと。もちろん、時には感情的になりそうなこともありますが、当事業所の行動指針でもある「決めつけず、あきらめず、ありのままに過ごせるように、その人を知り続けていくことを大切に」ということを常に意識して、固定概念にとらわれないケアを行っています。

この職場の好きなところ

夜勤明けなど体力的に辛いと感じることや、入所者様の対応に苦慮することもありますが、それでもこの仕事を続けることができているのは、心が通うようになった時や自分のことを頼りにしてもらえた時の喜びがあればこそ。優しく微笑みながら昔話をしてくださる時、私のことを息子だと思って話をしてくれた時は、家族のような存在に近づくことができたとうれしい気持ちになります。
また、同僚や上司との距離感が近く、自分の長所を引き出して適性に合った業務を提案してくださるなど、モチベーションが上がるように導いていただける職場環境にも感謝しています。昔から漫画やイラストを描くのが好きだった私の趣味を見込んで、事業所の開設10周年記念の折には、オリジナルキャラクターの作成を任されました。表情の一部に「10」を取り入れて、親しみやすいキャラクターを作ろうと、業務の合間にアイデアを絞りました。完成したキャラクター「てんじゅくん」をプリントしたTシャツを作成し、職員全員のおそろいのユニホームとして、行事の際などに着用しています。得意のデッサンを生かして、入所者様が入院された折にはユニットスタッフの似顔絵を描いた色紙を贈り、激励したことも。長所を生かし、少しでも入所者様の笑顔が増えればうれしいです。

今後の目標

今後は、資格やキャリアアップといった目に見える結果のみに固執することなく、入所者様の言動や些細な変化にも敏感に気づき、より親近感を持って接していただけるような介護のあり方を追究していきたいと考えています。特に、介護の現場においては、まだ男性スタッフの割合が少ないのが現状です。自分自身が苦労したことなどを参考にしながら、男性職員の良き相談相手となり、男女問わず誰もが働きやすい職場環境になるように、潤滑油の役割も担っていきたいです。
また、得意のイラストやデッサン力を生かして、入所者様の特徴や状況をわかりやすくまとめ、スタッフや家族の方と共有できる細やかな記録資料を作ったり、入所者様の関心を引くような紙芝居を作ったりと、自分の個性を発揮してきたいと考えています。

私のワークライフバランス

3歳と1歳の息子の出産前後には、当事業所で男性としては初となる育児休業を取得。当然のことですが、育児は妻だけの役割ではありませんし、私自身、子どもと遊ぶ時間や一緒に入浴する時間が一番のリフレッシュタイムになっています。また、妻は元々同じ職場で働いていたということもあり、仕事への理解が深く、仕事や家事、育児に対して互いに苦労や喜びを共有できていることも大きな支えとなっています。職場の同僚や上司の支えのおかげで、家庭と仕事どちらも大切にしながら働くことができている現状に、心から感謝しています。
※インタビュー内容は取材時のものです。
  • 山田育史さんが働いている認定事業者

    有限会社 賃貸ルーム

  • 〒503-0817 岐阜県大垣市上面4-65-1 アグレスト1F
  • http://www.g-h-tenjyu.jp/
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