介護職をめざしたきっかけ
- 私の父は糖尿病を抱えて、長い間病と闘っていました。その姿を見ながら、いつか父の介護が必要になった時に役立つかもしれないと思い、介護の勉強をスタート。訪問介護の仕事に携わる中で介護職の魅力や奥深さを実感するようになりました。
父は2年前に亡くなりましたが、最期を迎えるまでの1年間ほどは、清拭をしたり、食事の介助をしたり、着替えのサポートをしたりと、介護の現場で培った経験や知識を活かして父の世話をすることができたので、少しは親孝行ができたのかなと思っています。
私は今、こんな仕事をしています
- 3年ほど前から、現在の介護老人保健施設で勤務しています。入所者様の入浴や食事、排せつの介助など、仕事内容としては訪問介護で経験したことと似ている部分も多いのですが、一番の違いはチームワークの重要性。前職では利用者様のご自宅を訪問して身体介護や生活支援をしていたので、決められた時間内はその方とだけ向き合い、じっくり介護ができるという良い点がありました。しかし反面、自分がわからない事案や、大きな身体の方を介助する時など、技量的に厳しい場面に直面しても、誰かに助けを求めることはできませんでした。即座の判断力や自分の介護力が試されることも多く、常に緊張感を持って仕事をしていたので、精神的な強さが身に付いたかもしれません。
一方現在の職場では、施設長である医師をはじめ、看護師、介護士、理学療法士、作業療法士、介護支援専門員、支援相談員、栄養士など各分野のプロフェッショナルたちと連携しながら介護にあたっています。上司や先輩にわからないことを教えていただきながら共に問題を解決できますし、介助にあたる際など、不安要素がある時は他の職員にサポートをお願いすることもできます。今は、とても安心して仕事ができていますし、様々な方の意見をうかがうことで自分自身のスキルアップにもつながっていると感じます。
この職場の好きなところ
- のどかな田園に囲まれ、養老山脈の美しい風景を望むことができる穏やかな場所にあります。元旦の朝などは、神々しい初日の出に入所者のみなさんが手を合わせていらっしゃいました。浴室には海津温泉の湯を引いているなど、外出が困難な方も多い施設の中でも豊かな自然環境を感じられることは、入所者様の癒しにつながっているのではないでしょうか。
また、働く職員にとっては、4交代制の勤務で残業もほとんどなく、休日は年間122日と十分確保されている他、産前産後休暇、育児休暇が充実。育児休暇後は時短勤務の制度があるなど、女性にとっても働きやすい職場環境です。
そして何より、入所者様の「ありがとう」の言葉が最大の心の支え。感謝の言葉をかけていただくと自分の気持ちが優しくなり、こちらこそ「ありがとうございます」というあたたかい気持ちになります。入所者様の中には戦争を経験した方もいらっしゃいますし、今の日本の礎を築き高度経済成長を支えた世代の方々でもあります。まさに人生の大先輩たちのお話を直接うかがうことができるという面でも、非常に貴重な経験ができる仕事です。
今後の目標
- 当施設は職員の研修制度が非常に充実しており、例えば2017(平成29)年度には、外部講師をお招きして「接遇」に関する研修が実施されました。施設の職員以外にも海津市内の介護施設で働く方々が大勢集まり、元キャビンアテンダントの方の講義を受けました。心の通った介護のためには、入所者様の些細な変化に気付く観察力や、真心を持って接することの大切さを改めて実感。つい、日々のルーチンワークに流されてしまいがちですが、研修をきっかけに、ふとした瞬間に立ち止まり、振り返るという意識を持つように心がけています。
今後は施設内研修や外部研修などを積極的に活用しながら、自分自身のスキルアップにつなげていきたいと考えています。