岐阜県介護人材育成事業者認定制度

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岐阜県の介護業界の未来を担うのは、
志を持った学生、現場で働くプロフェッショナルのみなさんの存在です。
そうした方々に着目し、あらゆる角度から、
介護の仕事と学びについて考えていきます。

お話を伺った方々

岐阜県 健康福祉部 高齢福祉課

「岐阜県介護人材育成事業者認定制度」の概要

岐阜県では、平成28年度に「岐阜県介護人材育成事業者認定制度」を創設し、今年度までに129事業者が認定を受けました。

この制度を始めた背景としては、介護分野で働く人の不足があります。

現在の介護サービスを維持していくためには、2025年までに県内で約6,300人の介護人材が不足するとの推計があり、介護人材の確保はとても重要な課題となっています。

人材不足に悩む介護事業者は、職員の確保に向けて取り組んでいますが、県でも、新しく働く人の確保、働いている人の定着促進、スキルアップなど人材育成の3つの観点から様々な事業を行ってきました。

介護分野で働く人、働き続ける人を増やすためには、職員の方々にも働き続けたいと思ってもらえる職場にすることが必要です。認定制度を通じて、このような介護の職場を増やしていきたいと考えています。

認定制度では、人材の育成と職場環境の改善に向け、まず基本的な取組みを行っていると認められる事業者をグレード3、次に充実した取組みを行っていると認められる事業者をグレード2、そして県内介護業界をリードする質の高い取組みを行っていると認められる事業者をグレード1と、3つの段階により認定し、より積極的な取組みを促しています。

認定に当たっては、「信頼される運営」「積極的な人材育成」「職員の定着促進」の3つの観点から、10の評価項目により、グレードごとに達成基準を設けています。

この評価項目の考え方を少し述べたいと思います。

評価項目の考え方

評価項目はそれぞれ独立していますが、相互に関連付けることで、より効果的な取組みになります。

例えば、グレード3の「積極的な人材育成」を確認する評価項目として、「人材育成に向けた評価制度を有している」ことがあります。人事評価制度を整え職員に示すことで、職員が自身のキャリアパスを組み立てるに当たり、どんな人材が求められているか、いつまでにどんなスキルを身につければ良いかを考えることができます。

それに対して事業者が支援する取組みをしていれば、職員のキャリアパス実現を強力に後押しするでしょう(評価項目:「職員のキャリアアップを支援する取組みをしている」)。

また、人事評価制度の運用に当たっては、職員との面談は欠かせません。職員面談は、事業者にとっては、職員が普段から感じていることを聞き取り、事業の運営に活かすことができますし、職員にとっては、思いを伝える貴重な機会となります。面談を効果的に活用すれば、風通しのよい職場づくりにつながります(評価項目:「情報共有・コミュニケーションの充実に向けた取組み」)。

面談は人事評価以外でも有効です。新人職員への指導を計画的に実施するため、事業者は指導に当たる先輩職員から折に触れて話を聞き、方針を共有していくことになります(評価項目:「新人職員への指導を計画的に実施している」)。

さらに、事業者の法人としての方針には、このような取組みが具体的な行動として示されているでしょう(評価項目:「法人としての理念や方針を明確にし、それに向けて取り組んでいる」)。

認定制度では、事業者の皆様が評価項目を参考にしなが体系的に取組みを進めていくことで、より質の高い取組みへとつなげていくことができます。

認定制度の今後の広がり

県では、介護人材確保につながる認定制度への取組みを多くの介護事業者に進めていただくため、インセンティブを設けています。

まずは「認定を受けているということ」の価値を高めるため、県民の皆様に認定制度を知っていただく広報に取り組んでいます。これに合わせて、認定事業者に「ぎふ・いきいき介護事業者」という愛称をつけ、県民への浸透を図っています。

また、これから就職先を考えていく若い世代を主な対象として、このコラムが掲載されている介護情報ポータルサイトにより「ぎふ・いきいき介護事業者」で働く人へのインタビューを通じた情報発信を行っています。

さらに、ハローワークの求人票に「ぎふ・いきいき介護事業者」と記載できるほか、認定への取り組みの過程では、最大5回程度の社会保険労務士による職場環境改善に向けた無料コンサルティング受審や、県の介護人材確保対策補助金の優先採択を受けることができます。

また、「ぎふ・いきいき介護事業者」で働く介護職員は、県が主催するスキルアップ研修を優先的に受講できることにしています。

これらの中でも、社会保険労務士によるコンサルティングは、外部の専門家の目を通して事業所の今の姿やこれから目指す姿を確認する貴重な機会になると思います。改善に向けたコンサルティングですから、まずは派遣された社会保険労務士に現状をしっかりと伝えていただき、アドバイスを受けながら、働きやすい職場を作っていただきたいと思います。

認定を受けた事業者から、「認定事業者であることが決め手となって就職した」という人がいると、嬉しいお話を伺うようになりました。もちろん、これは事業者の人材確保に向けた不断の努力によって得られた成果で、認定制度は取組みの一つに過ぎません。

これからは、求職者はもとより、多くの方に認定制度のことを知っていただき、就職や転職を考えたときに、認定を受けた事業者であることが基準の一つになるようにしていきたいと考えています。

私たちは、県民の方が必要な介護サービスを過不足なく受けられる環境を目指し、介護事業者の皆様と一緒に取り組んでいきます。

認定制度がよくわからない、もっと詳しく知りたいとお考えの事業者の方は、お気軽に県庁高齢福祉課にお問い合わせください。

具体的な制度

岐阜県介護人材育成事業者<ぎふ・いきいき介護事業者>認定制度

岐阜県では、介護人材の育成及び職場環境の改善に積極的に取り組む介護事業者を「ぎふ・いきいき介護事業者」として認定・公表し、介護事業者の介護人材確保を支援しています。認定に向けた取組みを行う事業者に対して、人材の育成・定着のためのコンサルティングなど様々な支援を行うとともに、ぎふ・いきいき介護事業者(認定事業者)を県が積極的にPRを行います。
詳しくはこちら

岐阜県 健康福祉部 高齢福祉課

〒500-8570 岐阜市薮田南2丁目1番1号

TEL 058-272-8289(直通)

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