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高石咲来さん
- 岐阜県立大垣桜高校 福祉科3年
- 取材年:2023年
介護福祉士と看護師のダブル資格取得を目指して
- 高齢者施設で看護師として働く母の影響で、幼い頃から「介護の仕事」を身近に感じていました。母はよく、目を輝かせながら、その日施設で起こったことを話してくれて。「素敵な仕事だな。お母さん、かっこいいな」と、子ども心に誇らしく思ったものです。小学生の時、施設に遊びに行って、利用者さんとレクリエーションをした楽しさも忘れられません。そして気づけば、母と同じ道を志すように。高齢者施設で働くなら、看護師だけでなく、介護福祉士の国家資格も取得した方がいいと考え、大垣桜高校の福祉科へ進むことを決めました。
福祉科では、卒業時に介護福祉士の資格を取得することを目標に、身体のしくみや疾患、制度、法律などの専門知識と介助技術を学んでいきます。私にとっては未知のことばかり。入学当初は不安がありましたが、同じ目標に向かって励まし合える仲間の存在や、先生方の熱心なご指導のおかげで、ずっと前向きに努力し続けることができました。
私が高校生活を通して特に印象に残っているのは、3年間で計53日に及んだ介護実習です。デイサービスや特別養護老人ホーム、障がい者支援施設などへ行き、実際の利用者さんと触れ合いながら、学校の授業で学んできたことを実践するのですが、たとえば、ベッドから車椅子への移乗介助1つをとっても、友だち同士で練習する時のようにはいきません。施設の環境や、利用者さんの心身の状態に合わせて臨機応変に行動する必要があります。目の前の1人を笑顔にするために、自分は何ができるのか。それを追求するのが介護の仕事なのだと、心に刻むことができました。そして学年が上がるたび、「もっと技術を磨きたい」との思いが強くなり、3年次には仲間と3人で「東海地区高校生介護技術コンテスト」という大会に岐阜県代表として出場。他校の福祉科で学ぶ人たちと交流できたことも大きな財産になりました。
高校卒業後は、県内にある3年課程の看護専門学校に進学する予定です。初めての1人暮らしも始まるので、今からワクワクが止まりません。勉強の日々は続きますが、憧れの母の背中を追って、介護福祉士と看護師のダブル資格取得を実現させたいと思います。
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介護を学びたい人へのメッセージ
- 福祉科での学びは、高齢者の方々と向き合う内容だけと思う方がいるかもしれません。でも実は、あらゆる立場の人の可能性や幸せを考える学びであり、ひいては自分の人生を豊かにすることにつながっていると感じます。そのことに気づけた高校生活は、私にとって宝物と言える時間になりました。もし福祉に興味があるなら、高校の福祉科という道をぜひ考えてみてください。卒業後は介護福祉士として就職する道もありますし、私のようにプラス1の資格取得を目指して大学や専門学校に進学する選択肢もあります。学びながら、自分らしく輝ける生き方を見つけられる場所だと思うので、扉を開けてもらえたらうれしいです。
※インタビュー内容は取材時のものです。