介護の勉強 私たちらしい学び方

藤吉璃奈さん

  • 岐阜県立岐阜各務野高校 福祉科ケアワーカーフィールド3年
  • 取材年:2023年

楽しかった1年次の実習が介護の道へ進むきっかけに

私には4歳上の姉がいます。幼いころから憧れの存在で、そんな姉の背中を追って、岐阜各務野高校福祉科に進学しました。また、介護が中心の「ケアワーカーフィールド」と、保育が中心の「子ども福祉フィールド」の2コースから、自分の進みたい道を2年次に選択できるカリキュラムも魅力的で、進学を決めた要因の一つです。
その中でも、「ケアワーカーフィールド」を選んだ理由は、1年次に行ったデイサービスでの実習がとても楽しかったからです。グループのメンバーと企画したカード探しゲームなどのレクリエーションをしたり、利用者さんたちとお話をしたりすると、皆さん笑顔になってくださったのが本当にうれしくて。「こんな風に、高齢者の方々を元気にする仕事がしたい」と思うようになりました。

2年次からは本格的に介護の勉強がスタート。こころとからだの仕組みやコミュニケーション、福祉に関する制度などの専門知識を学ぶ座学、適切な介助方法を習得する実技、そして施設での実習と、大きく3つの柱があります。すべてが介護福祉士の国家資格取得につながっているので気が抜けません。手先があまり器用ではない私にとっては実技が難しいのですが、できるようになるまで繰り返し教えてくださる先生や、一緒に練習してくれる仲間の存在が支えになっています。
実技への苦手意識を克服したい気持ちもあり、今年の「岐阜県介護技術交流会」の学校代表に立候補しました。これは、3人1チームで2人が介助役、1人が利用者役となり、トイレから食堂への移動介助と食事介助を実践し、その技術力を学校ごとに発表し、交流するというもの。チームメンバーと放課後や休日に練習を重ね、利用者さんに安心してもらえる声かけなども工夫した結果、私たちのチームが岐阜県代表に選ばれました。大変うれしかったですし、実技に自信を付けることができました。

卒業後は、3年次の実習でお世話になった特別養護老人ホームへの就職を希望しています。高校時代に得た知識や技術を生かして、利用者さん一人ひとりの状態や気持ちを理解し、その方にとって心地よい生活を支援していける介護福祉士になるのが目標。利用者さんたちのたくさんの笑顔に出会える日が楽しみで、今からワクワクしています。

介護を学びたい人へのメッセージ

知らなかったことや、できなかったことがどんどんできるようになり、成長を実感できるのが介護の学びの魅力だと思います。福祉系高校は、大学よりも短い3年という期間で介護福祉士の国家資格取得を目指し、かつ国語や数学、英語などの普通科目も履修しなければならないので、正直、勉強は大変。でも、大変さを上回る充実感や達成感があります。また、意外に思われるかもしれませんが、卒業生の進路は多様です。私は早く現場で経験を積みたいので就職する予定ですが、社会福祉士や作業療法士、看護師といったプラスの資格取得を目指して、さらに大学や専門学校に進む人も少なくありません。福祉や介護に興味があるのなら、介護福祉士になる最短コースの福祉系高校を選び、そこから将来を考えるのもおすすめです。
※インタビュー内容は取材時のものです。

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