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「福祉のお仕事体験フェスタ」開催レポート

update 2018/11/26

今年で開催5年目となる「福祉のお仕事体験フェスタ」が、2018年11月10日(土)に、飛騨・世界生活文化センターで開催されました(主催:岐阜県・社会福祉法人岐阜県社会福祉協議会/後援:岐阜県教育委員会・社会福祉法人岐阜県福祉事業団)。「福祉」とは、「みんなの幸せ」という意味。「みんなの幸せ」を目指して働いている福祉のプロの仕事を、将来の福祉業界を担う子どもたちに知ってもらい、体験を通して幸せづくりのヒントを感じてもらうための催しで、小さいお子さんを抱っこしたお母さん、小学生・中学生の親子の皆さん、お孫さんを連れたご夫婦など、たくさんの方々に足を運んでいただきました。

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「知る・学ぶエリア」「介護ロボットエリア」「楽しむエリア」「味わうエリア」の4つのエリアに分かれており、さまざまな体験コーナーが用意されていました。


「ステージコーナー」

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今回、5年目の集大成として行われたのが、ステージ上での「介護体験プログラムとデモンストレーション」です。参加者にステージに上がってもらい、実際に介護現場で働くプロによるデモンストレーションの後、それぞれ体験してもらいました。最初は親(大人)が右麻痺という設定で、子どもが着替えの介助をするというもの。親子で体験した女の子は初めてお母さんに服を着せたそうで「難しかった。」と感想を話してくれました。衣服着脱に関してのアドバイスとして「右手通しますね。」などの声掛けと、ご本人ができることは見守りながら必要以上に手を出さないことが大事だという説明がありました。

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次に行われたのが、ベッドから車いすへの移乗介助。力を入れず、ボディメカニクスを取り入れた体の使い方をすれば、楽に安全に介助ができるという説明とデモンストレーションの後、また別の参加者にステージへ上がってもらい、体験してもらいました。ベッドから車いすに移る際にケガをするケースが多く、介護の現場ではとても気を使うお仕事。和気あいあいとした雰囲気の中、皆さん初めてとは思えないほどスムーズに移乗介助ができていました。

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ステージでは、踊りエクササイズ「NOSS」の皆さんによる、舞踊も行われました。「NOSS」は日本舞踊が持つ「和」の動きをもとにスポーツ科学を取り入れて考案された運動プログラム。優雅でありながら体力維持や介護予防に効果的な運動で、有酸素運動・筋肉運動・ストレッチがバランスよく組み込まれています。参加者の中には踊りを覚えて、一緒に楽しんでいる方もみえました。


「知る・学ぶエリア」

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視界を狭くするゴーグルや、耳を聴こえにくくするイヤーマフ、関節を曲がりにくくする重りやサポーターなどの高齢者疑似体験セットを身につけて、高齢者の方の日常生活を体験してもらうコーナー。介護職への就職が決まっているという福祉課に通う高校3年生の男性は「10分弱体験しただけで、膝が痛くなってきた。前が見えないことがこんなにしんどくて大変なことがわかり、体験できて良かった。」と初めて実際に体験しての感想を語ってくれました。

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車いす体験コーナーには、足こぎタイプや、小回りがきく6輪車、転倒防止機能が付いたものなど、特徴のある5種類の車いすが用意され、安全な操作方法の説明の後、多くの方が体験していました。


「福祉用具・介護ロボットエリア」

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腰痛やお尻の痛みといった問題を解決するために開発した椅子を紹介するブース。褥瘡(じょくそう)などの研究にどんなデータを取っているか知ってもらうため、体圧分布センサーも体験することができました。

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電動の簡易移乗機「介護ロボi-PAL(アイパル)」や電動車椅子、気軽な外出の機会を増やすための折りたたみ電動車いす「SCOO(スクー)」、コミュニケーションロボット、パワーアシストハンドなど、各ブースで最新の福祉用具の紹介があり、参加者は初めて見る介護ロボットに興味津々。


「楽しむエリア」

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サロンや集いの場で楽しまれているレクリエーションのひとつ「コミュニーケーションま〜じゃん」が体験できたり、社会福祉協議会の仕事「地域の困りごとと社会資源を繋ぐ」を身近に感じられるコーナーや、紙芝居の実演もありました。


「味わうエリア」

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地元の障がい者施設で作られたセルプ製品の販売コーナーでは、シフォンケーキやクッキー、ポップコーンなどを販売。


「事業所セミナー」

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最後にステージで行われたのが、「ひだ地域リハビリプロジェクト」によるコグニサイズの実演。コグニサイズとは、認知症を予防するために作られたプログラムで、運動しながら頭を使って脳の働きを活発にするエクササイズ。足踏みをしながら、3の倍数の時に手をたたいたり、しりとりしながらステップを踏んだりと、バリエーションも豊富。岐阜県社会福祉協議会マスコットキャラクターの「ともにん」も、後ろで手をたたいて密かに参加していました!
参加者アンケートでは「小学6年生の子どもが福祉に興味があり勉強になった」「高齢者の疑似体験ができて良い経験になった」「福祉のことをもっと知ろうと思った」「車いすが面白かった」など、たくさんの声を頂きました。
「福祉のお仕事体験フェスタ」は2019年も11月に開催予定です。ぜひご参加ください!

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